短答式試験の合格基準
司法試験の短答式試験では、各科目に基準点が設けられているほか、合格に必要な合計得点も年度によって異なります。(例:令和6年は93点など)
そのため、たとえ合計得点が合格ラインを超えていても、
1科目でも基準点を下回った場合は、短答式試験を突破することができません。
思うような結果が出なかった理由
足切り不合格の経験
2025年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2024年修了
私は、昨年の司法試験では
短答式試験の憲法で19点しか取れず、足切り不合格となりました。元々短答式試験に苦手意識があったため、昨年の受験時点でも短答対策には時間をかけていました。また、
短答式試験の合計点では93点(昨年の短答式試験の合格点)を超えていたので、足切り不合格と知って心が折れてしまいました。
敗因分析で見えた課題
2025年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2024年修了
勉強再開にあたり、
短答が得意な合格者の友人や、お世話になっていた弁護士の先生のところに昨年の司法試験の短答式試験憲法の問題冊子を持っていき、敗因分析をお願いしました。
その結果、
短答の過去問題集を周回することが「目的」となってしまっていたことに気づき、今年は演習の際に
間違えた原因の分析を丁寧に行い、一元化教材にまとめることを徹底しました。
点数が伸びる人の共通点
教材を絞って繰り返し学習する
2024年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2025年修了(在学中受験)
短答式試験対策は、
過去問を何周もするのが良いと思います。特に
民法と刑法は過去問から同じ問題が出題されることが多いですし、得た知識は論文式試験にも活かされます。
2024年度合格
九州大学法科大学院・既修 2025年修了(在学中受験)
私は
「短答過去問パーフェクト」(辰巳法律研究所)を使用し、その中で分からなかった部分を「択一六法」(東京リーガルマインド)、「逐条テキスト」(早稲田経営出版)に書き込んでいました。これを毎朝学校に登校してからの30分と家に帰る前の30分で、
1日10題ずつ進めていきました。民法は毎日勉強し、憲法と刑法はそれぞれ交互に勉強し、それを司法試験開始までひたすら繰り返しました。問題集を2周するまではひと通り全問解き、その際に後から分かるように
各問題に○、△(自信がない)、×でチェックを付けていきました。
ただし、この学習方法では類似問題が続き、その問題を解く前日に頭に入れた知識を引き出すことになるという欠点があります。そのため、
ある程度学習が進んだ段階で年度ごとに解いていくのがおすすめです。
間違えた原因を分析する
2024年度合格
京都大学法科大学院・既修 2025年修了(在学中受験)
私は受験直前の春に受験した
「TKC全国統一模試」で十分な解答ができなかった問題について、徹底的に復習しました。その際には、自分の短答の解答を確認できるサービス(※)を活用し、
なぜ解答できなかったのか(
理解不足、あてはめの不十分、時間不足等々)、把握するように努めました。模試の後、司法試験までの期間では、それぞれの課題に対して効果的に復習や対策をすることができました。
※「法科大学院修了生サポートシステム」内Web成績表ページで短答式模試の解答内容の確認や問題の解き直しができるサービス。
知識を一元化教材にまとめる
2024年度合格
九州大学法科大学院・既修 2025年修了(在学中受験)
1度でも誤った問題を中心に3周、4周、5周と解きました。そうすることで、
どうしても解けない問題や苦手な問題が見えてきます。司法試験前に
最終確認用として苦手な問題をファイルにまとめ、本番の試験直前に確認していました。
2024年度合格
神戸大学法科大学院・既修 2024年修了
私は過去問を中心に演習し、
正解したか否かにかかわらず、そこで得られる知識は全て獲得する、という姿勢で勉強していました。
民法・刑法・憲法統治分野は、過去問で出題された条文や判例などを「判例六法」(有斐閣)に適宜書き込み、印をつけていました。2年半ほど同じ「判例六法」を使っていたので、その書き込みは膨大なものになり、そこに
短答式試験で問われる知識を一元化できました。
憲法人権分野は、論文式試験の勉強でも使用していた
「司法試験 総合講義」テキスト(アガルートアカデミー)にまとめました。
模試を目標に学習ペースを作る
2024年度合格
予備試験合格
1回目(2023年)の司法試験での短答式試験の点数は、
短答式試験合格者平均点を下回りました。この短答式試験合格者平均点は最低限とるべき点数です。このような経験から、
TKCの「全国実力確認テスト」全3回を受験しました。
短答式試験の問題を長期間解かずにいると、短答式試験の感覚を忘れてしまいますので、
一定の間隔で短答の問題を解くことは、感覚を忘れずにいることができるという効果があります。この「全国実力確認テスト」を受験したお陰で、2回目(2024年)の司法試験では短答式試験合格者平均点以上の点数を取ることができました。
TKCの模試はいつ受験できる TKC主催模試の詳細を見てみる
毎日の習慣化で得点を安定させる
2025年度合格
同志社大学法科大学院・既修 2026年修了(在学中受験)
「
1日1時間は短答に触れる」ことを欠かさず行い、短答は早い段階で安定した点数(140〜150点)を取れるようになりました。これにより、
直前期に短答への不安によって時間を奪われることなく、論文の対策に集中することができました。
ただ、直前期に短答を全く触らなかったせいで、本番はで過去問に比して低い点数ではありました。それでも、直前で慌てて詰め込むよりも、
早期から着実に積み重ねることを強くお勧めします。
もっとやっておけばよかったこと
憲法は過去問題だけ終わらせない
2025年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2024年修了
留意すべき点としては、憲法の問題は昨今難しくなっていますので、憲法に関しては複数回繰り返すことに重点を置くよりも、
「判例百選」(有斐閣)を使って判例を読み込むという学習も併用すべきだと思います。民法、刑法は周知のとおり、繰り返し問題を解くことで点数が伸びていくと思います。
「判例百選」を完璧に読み込む
2025年度合格
立命館大学法科大学院・既修 2025年修了
もっとやるべきだったことは、
憲法の「判例百選」(有斐閣)を完璧にすることです。今年(令和7年)も本番の憲法の短答は、過去問では出題されてこなかった、
「判例百選」に記載されているような細かい知識を聞かれたので、来年以降もこの傾向が繰り返されるとすると、完全に読み込むことが必要だったと思います。
「読み込み」の境界線
2024年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2025年修了(在学中受験)
憲法は過去問も大切ですが、「判例百選」の読み込みが求められます。
判例を理解し、判旨の中で何を言っている、何を言っていないかということまで覚える必要があります。
まとめ
短答式試験は、論文式試験対策に比べて優先順位が下がりがちですが、安定して得点できる力を身につけること自体に大きな意味があります。教材を絞った反復学習や原因分析、一元化教材の作成、模試の活用、毎日の積み重ねなど、共通して見られた工夫を取り入れながら、自分に合った勉強方法を見つけてみてください。
【短答】原因は過去問の使い方にあり
失敗しない、効果的な過去問の使い方