2022/12/15  2021/04/27

答案に"素晴らしいこと"は必要ない
つい忘れがちな、司法「試験」の落とし穴

在校生 修了生 模試
 

司法「試験」の落とし穴とは

 2020年度合格 
予備試験合格

 司法試験の合否はほぼ論文式試験の結果で決まり、その論文式試験では、ごく基本的な知識をおさえた上で、それを事案に応じていかに的確に応用するか、ということが問われています。また、司法試験も「試験」である以上、答案にどんなに素晴らしいことを書いても、それが出題趣旨や採点基準に合致していなければ点数が取れずに不合格となります。

最短で司法試験に合格するには

 2020年度合格 
予備試験合格

 私も最初は知識の習得に重点を置くあまり、実際に答案を書く訓練や論文式試験の過去問を検討する時間が不足し、結果的に合格まで時間がかかってしまいました。司法試験に合格するためには、基礎レベルの知識を確実におさえ、それをいかに論文式試験で使いこなす(応用する)かを常日頃から答練等で演練することが最も近道であったと思います。

論文式試験を突破する4つの視点

論文の形を身につける

 2021年度合格 
明治大学法科大学院・既修 2021年修了

 私は、大学の先生や合格者に私の答案を読んで講評していただきました。自分では「今回はとてもよくできた」と思っても、指摘事項などを聞いてみるとまったく法律の文書の体をなしておらず、ものすごく落ち込んだものです。そこでとにかく、三段論法のような論文の形を身につけることから始めました。読み手と書き手の間に共通ルールがあるなら、それに応じた文章を作成する方が当然読み手にわかりやすく、結果として高得点をとれるだろうと思ったからです。この私の経験から、論文式試験の問題は形式を固めて書くこと、書いた論文は専門家に読んでもらうことをお勧めします。

受験生が書けるであろう論点を押さえる

 2020年度合格 
中央大学法科大学院・既修 2017年修了

 論文の総論的なお話ですが、みんなが書けるであろう論点はできる限り、落とさないようにすることを心掛けていました。具体的には、「[短答式]TKC全国実力確認テスト」やTKC「全国統一模試」で今一つ解けなかった論点は、趣旨・規範本を利用し、逐一確認していました。趣旨・規範本に記載がある論点受験生全員が理解していると思ったほうが安全です。

全国実力確認テスト・全国統一模試とは TKC主催模試の詳細を見てみる

あてはめの部分を意識する

 2020年度合格 
神戸大学法科大学院・既修 2020年修了

 あてはめの部分は思っている以上に差が出ます。事実を拾って満足するのではなく評価を忘れない、ただ羅列するのではなく拾う順番書く順番も意識することが必要です。知識の一元化だけでなく、あてはめで書きやすいワード言い回しに加えて、刑事系だと体重や年齢が問題文に出てきたら暴行の認定正当防衛が出てくるかも、など、あてはめに関するメモを忘れずにすることをオススメします。

試験前日を想定した準備を進める

 2020年度合格 
中央大学法科大学院・既修 2017年修了

 私は、試験の前日に各科目1時間以内に簡単におさらいできる程度の書籍、本を作成していました(既存の書籍に加筆して自分なりの書籍に改変するという意味で)。これがよかったと思います。私はまとめノートを作るほどきっちりした人間ではないので、趣旨・規範本に加筆することでそれを代用していました。

「平均的な受験生」の視点を意識した起案を

 2020年度合格 
神戸大学法科大学院・既修 2020年修了

 基本的なことですが、起案の際には、①読みやすい文を書く(字を大きく・一文を短く)、②三段論法を崩さずに書く、③他の人が何を書くか意識しながら書く、の3点を意識していました。特に、司法試験は100点を狙う試験でないからこそ③のポイントが重要だと思います。私は、本番まで知識不足を完全に補うことは難しいと判断したため、平均的な水準の答案を書くことを意識しました。そのため、分からなくなったときこそ落ち着いて、平均的な受験生はどう思うだろう何を書くだろうどこに比重を置いて書くだろう、という視点を忘れないようにしました。皆さんも頭の中に「平均的な受験生」の視点をいつも持つことをオススメします。
受験生の誰もが解ける問題こそ、
しっかり押さえておこう
模試は受験した時だけでなく、受験後の復習も大切です。先輩合格者も模試で解けなかった論点等を確認して、試験当日には書けるように復習しています。これは、短答式試験も同じです。 昨年TKC模試で出題した短答式問題が無料で解ける「 TKC司法試験模試チャレンジに挑戦して、誰もが解ける問題もしっかり解けるようにしていきましょう
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