「判例百選」とは
「判例百選」とは、株式会社有斐閣が発行する雑誌「別冊ジュリスト」の判例集シリーズです。
各法律分野から厳選された約100個の重要判例を掲載しており、要約された事実の概要や判旨、それに対する解説が確認できるので、判例学習用教材として多くの法学部生、法科大学院生に使用されています。
「判例百選」が教材に選ばれる理由
2020年度合格
京都大学法科大学院・既修 2020年修了
司法試験がいわゆる実務家登用試験であり、実務が
最高裁判例・重要裁判例を中心に回っていることを考えると、
重要判例に類似の問題が出題された場合には、
当該判例を意識した記述をすることが必須です。このことは採点実感・出題趣旨を見ても明らかであり、特に
公法科目・
選択科目においては
当該判例を意識した記述ができているかどうかで合否が分かれると言っても過言ではないと思います。判例の事案・判示を読み込み、記憶・理解することは非常に辛い作業であると思いますが、最低限
判例百選に載っている判例はしっかり押さえておくべきです。
「判例百選」を使い倒す前に
「判例百選」を使用するにあたり、
どの科目で使用すべきか、
最新版が発行された時に買い換えた方が良いのか等も気になりますよね。「判例百選」を使い倒す前に、疑問点を解消しておきましょう。
「判例百選」は全科目 それとも一部の科目
2022年度合格
慶應義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
「判例百選」に掲載されている判例は
全科目把握するようにしていました。合格者の方から、とりわけ
民事訴訟法や商法、労働法は判例を押さえておくことが大切だと聞いたため、読み込んで一元化教材にも反映するようにしていました。
最新版が発行された時は買い換える
2021年度合格
東京大学法科大学院・既修 2020年修了
私は紙の「判例百選」(有斐閣)に書き込みなどをしていたため、
版が新しくなったものについてはデータベースの「判例百選電子版」(同)を利用し、
新しく掲載されたり解説が変更されたりした部分のみを確認していました。
データベースの「判例百選電子版」とは 修了生サポートシステムの詳細を見てみる
「判例百選」をアウトプットできるようになるまでの使い方
1答案構成を頭の中で作成する
2020年度合格
京都大学法科大学院・既修 2020年修了
判例百選を読み込む際に、
判例を踏まえて自説を展開する流れを頭の中でスムーズに記述できるかどうかを意識すると効果が倍増すると思います。
2019年度合格
慶應義塾大学法科大学院・既修 2019年修了
判例百選の事案について
解答の流れを頭の中で即答して、
判例の射程に関する記載のみを解説で読んだり、
1日2問以上の過去問について
答案構成を頭の中で作成したり、事例問題に対する思考のスピードをアップさせたりした。
2自分の言葉で「答案を書く」
2019年度合格
予備試験合格
司法試験の対策として重要だと思ったことは、
「答案を書く」ということです。自分の思考を言葉にすることで、
自分の理解があやふやであったことに気づかされたこともありましたし、
書き続けることで答案を書くスピードも格段に上がりました。
司法試験の学習に近道はありません。問題を通じて、基礎的な知識や判例の理解をいかに深められるかが大事であると思っています。頑張ってください。
3「知らない判例」をなくす
2022年度合格
東京大学法科大学院・既修 2022年修了
問題集や過去問を解いていく中で、
知らない判例や知っているけど判旨の内容を正確に言えない判例が出てきた場合には、その都度「判例百選」等を読み返し、
知らない判例をなくすようにしていました。
4重要判例を目にする機会をふやす
2022年度合格
南山大学法科大学院・既修 2021年修了
過去問の答案を書いた後、復習の際に
該当する判例を印刷してファイルに挟むことで、
重要判例を目にする機会を増やすことができました。
外出先でも「判例百選」を読みたい場合は
2022年度合格
東京大学法科大学院・既修 2022年修了
私は判例の学習を大切にしていました。しかし、
「判例百選」やその他の判例図書を8科目分全部持ち運ぶのはほぼ不可能なため、TKCのデータベース(
法科大学院修了生サポートシステム)を使用して
見たい時にインターネット上ですぐに判例を検索できたのはとてもよかったです。
TKCのデータベースを使うには 修了生サポートシステムの詳細を見る
まとめ
2022年度合格
東京大学法科大学院・既修 2022年修了
直前期は何かとあれこれ手を出して勉強したくなることも多いかと思う。しかし、
司法試験では何か特別な知識が要求されているわけではないので、標準的な基本書や「判例百選」などを用いて基礎的な学習を行えば十分であり、
基礎的な点を確実にすることが最も重要だと思う。逆に、それらをきちんとこなしていれば、試験の結果を心配する必要はない。
勉強中に判例を確認したら、
「判例学習ドリル」でも確認を
判例百選・重要判例解説(有斐閣)に掲載された判例を一覧化している「
判例学習ドリル」もあわせて活用すると、
最低限押さえておくべき判例なのか確認しながら判例学習を進められます
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