論文式試験の試験科目
司法試験の論文式試験の試験科目は、①憲法や行政法に関する
公法系科目、②民法や商法、民事訴訟法に関する
民事系科目、③刑法や刑事訴訟法に関する
刑事系科目、④選択科目の4科目で行われ、④選択科目は
8科目(
倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係(公法・私法))の中から
1科目を選択します。
国際関係法(公法系)の受験者・受験割合
令和5年度受験者数(3,928人)を参考に、8科目ある選択科目の各受験者数を確認しておきましょう。令和5年度では、「
経済法」や「
労働法」が多くの受験者に選択されており、「
国際関係法〔公法系〕」は
最も選択されにくい科目のようです。
【令和5年度:選択科目の受験者数・割合】
選択科目名 |
受験者数 |
受験割合 |
倒産法 |
569人 |
14.6% |
租税法 |
233人 |
6.0% |
経済法 |
787人 |
20.2% |
知的財産法 |
613人 |
15.7% |
労働法 |
1,127人 |
28.9% |
環境法 |
136人 |
3.5% |
国際関係法〔公法系〕 |
54人 |
1.4% |
国際関係法〔私法系〕 |
378人 |
9.7% |
国際公法が選択されにくい理由
2019年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了
私の選択科目は
国際関係法(公法系)でした。この科目は、世にある基本書の数こそ多いものの、
演習書はごくわずかしかない上に
予備校本は皆無で、また
試験範囲も広いと言われています。
国際公法を選択した決め手
2019年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了
ただ、受験科目としてまだ研究が進んでいないこともあり、おそらく
受験生のレベルは他の科目の受験生と比べてあまり高くなく、
合格答案の水準も他の科目よりかなり低いのではないかと想像しています。
国際公法の勉強法とは
2019年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了
私が実際にやっていた勉強法は、
『ストゥディア国際法』(有斐閣)と
『アルマ国際法』(同)で国際法の全体像を2回確認したあとに、
国際条約集と『現代国際法講義』(同)で過去問を分析しつつ、
『島田征夫 国際法』(弘文堂)に知識を集約していくというものでした。
解説・参考答案を読みたい場合は
2019年度合格
慶應義塾大学法科大学院・既修 2019年修了
司法試験の基本七法の解説については他の出版社からも少なからず出ていますが、
選択科目で信頼のおける解説は「論文演習セミナー」にしか掲載されていないかと思います。(他の予備校の選択科目の書籍は受験生の再現答案は掲載されていますが、
解説や参考答案の掲載がありません)。特に租税法や国際公法などのマイナー科目では、ほとんど演習書すらもないような状況なので、そのような中で
司法試験の解説や参考答案を読めることは大きな価値があります。
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国際関係法でこそ外せない、"ある"学習
2019年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了
国際法は判例が重要であり、国際関係法(公法系)選択のほとんどの受験生が
判例百選を活用しているはずなので、
国際法に限っては判例百選の学習をかなりしっかりとやっていました。
特別な勉強法は、必要ありません
2019年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了
他の科目と同じで、国際法の問題にもいわゆる
論点があり、それについて「
問題提起→規範定立→あてはめ→結論」という流れで論じていくということを心がければ合格水準に達するのではないかと思います。
"判例百選"をしっかり学習するなら、「判例学習ドリル」で効率よく
"判例学習"といえば、判例検索データベース(「LEX/DBインターネット」等)を思い浮かべるかもしれませんが、判例百選・重要判例解説(有斐閣)に掲載された判例を一覧化している「判例学習ドリル」で、判例全文を確認しながら、当該判例に関連する肢別問題や過去問題等を演習して効率よく進めてみませんか
【論文】選択科目は、何からはじめる
科目から参考書の選び方、進め方のあれこれ