2023/01/11  2020/06/03

国際公法を選択科目に
実際に使用した教材と勉強法を大公開

在校生 修了生 判例百選 参考書
 

論文式試験の試験科目

 司法試験の論文式試験の試験科目は、①憲法や行政法に関する公法系科目、②民法や商法、民事訴訟法に関する民事系科目、③刑法や刑事訴訟法に関する刑事系科目、④選択科目の4科目で行われ、④選択科目は8科目倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係(公法・私法))の中から1科目を選択します。

国際関係法(公法系)の受験者・受験割合

 令和5年度受験者数(3,928人)を参考に、8科目ある選択科目の各受験者数を確認しておきましょう。令和5年度では、「経済法」や「労働法」が多くの受験者に選択されており、「国際関係法〔公法系〕」は最も選択されにくい科目のようです。
【令和5年度:選択科目の受験者数・割合】
選択科目名 受験者数 受験割合
倒産法 569人 14.6%
租税法 233人 6.0%
経済法 787人 20.2%
知的財産法 613人 15.7%
労働法 1,127人 28.9%
環境法 136人 3.5%
国際関係法〔公法系〕 54人 1.4%
国際関係法〔私法系〕 378人 9.7%

国際公法が選択されにくい理由

 2019年度合格 
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了

 私の選択科目は国際関係法(公法系)でした。この科目は、世にある基本書の数こそ多いものの、演習書はごくわずかしかない上に予備校本は皆無で、また試験範囲も広いと言われています。

国際公法を選択した決め手

 2019年度合格 
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了

 ただ、受験科目としてまだ研究が進んでいないこともあり、おそらく受験生のレベルは他の科目の受験生と比べてあまり高くなく合格答案の水準も他の科目よりかなり低いのではないかと想像しています。

国際公法の勉強法とは

 2019年度合格 
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了

 私が実際にやっていた勉強法は、『ストゥディア国際法』(有斐閣)『アルマ国際法』(同)で国際法の全体像を2回確認したあとに、国際条約集と『現代国際法講義』(同)で過去問を分析しつつ、『島田征夫 国際法』(弘文堂)に知識を集約していくというものでした。

解説・参考答案を読みたい場合は

 2019年度合格 
慶應義塾大学法科大学院・既修 2019年修了

 司法試験の基本七法の解説については他の出版社からも少なからず出ていますが、選択科目で信頼のおける解説は「論文演習セミナー」にしか掲載されていないかと思います。(他の予備校の選択科目の書籍は受験生の再現答案は掲載されていますが、解説や参考答案の掲載がありません)。特に租税法や国際公法などのマイナー科目では、ほとんど演習書すらもないような状況なので、そのような中で司法試験の解説や参考答案を読めることは大きな価値があります。

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国際関係法でこそ外せない、"ある"学習

 2019年度合格 
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了

 国際法は判例が重要であり、国際関係法(公法系)選択のほとんどの受験生が判例百選を活用しているはずなので、国際法に限っては判例百選の学習をかなりしっかりとやっていました。

特別な勉強法は、必要ありません

 2019年度合格 
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了

 他の科目と同じで、国際法の問題にもいわゆる論点があり、それについて「問題提起→規範定立→あてはめ→結論」という流れで論じていくということを心がければ合格水準に達するのではないかと思います。
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